感性ギスギス、感性ズキズキ/立見春香
 

ああ、できれば
わたしだってもっと若いころに
もっと感性ギスギスしていたころに
こんな風に
詩作とか
おこなっていればなあ

学校にだって
通学路にだって
いきつけの本屋にだって
あの美容室はとくに
失敗されてムカついて
どうしても許せない
とか
けっこう真剣に怒ってた
こともあるよ

ほんというと
長い間許せなかった
いろんな憎悪が
胸と頭を
掻きむしったりしたよ

過去には
いっぱい恨みも妬みも嫉みもあって
本当のことを言うと
いまでもあのころのことを
思い出すだけで
涙目になるような
『失われた希望の時間』を
ずっと思っていたり
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