ある詩集を読んで/◇レキ
 
痛みに何故これほどあなたの詩が光とともに染み渡って楽にするのでしょうか。僕は貴方が詩を遺してくれた事を感謝します。それは、単純に、ただあなたから吹きこぼれたに過ぎない代物ただそれだけだと言うのだとしても。ただ僕が、誰かを俯瞰する事で、心が楽になる脳みその仕方ない仕組みに食われ、当て付けるように読むと言う行為をしているだけだとしても。
僕は確かにこの眠れない、苦しみの夜、あなたの詩に救われています。
僕は食い意地を張っていて、非常に汚い食べ方をしますが、心はそっと美しく、あなたの詩の光の粒子を吸い込み、静かに咀嚼をします。それはあなたの詩が美しいからなのです。美しい、とは冬の奥山の切り立った氷山
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