ちいさな太陽/真宵
 
水着を捨てた。どうして。秋の衣替え。何を間違ったんだろう。ボンヤリしてたからなあ。ビー玉とビーズ。見えるものが大きくなったり、小さくなったり。アリス症候群。わたしはいつから右に傾いたり、突然眠くなったり。物凄く大きな河が小さなわたしを飲み込む。あの夏の日を捨てた。太陽の下で泣いた。珍しいからたくさんの人が心配して近寄って来たが怖くて。怖くて。逃げたのは青い、青い海、海にわたしは逃げて、人魚の水着を着せられて泳いだ。夏から離れて海の中で真っ赤な秋を見つけた。ワタシは真っ赤だ。一人の小さな太陽だ。傷ついても、疲れ果てても、私はゆっくり泳ぐ。ぼんやりしても、アリス症候群でも、人魚でも。今夜わたしは水着を、あの夏の人魚と別れた。何だかすっきりして爽やか。
戻る   Point(6)