砂浜の言葉/腰国改修
 
ぜか舞い戻ってきた。どうして君の手紙だけが届く。なぜなのだろう?不思議だった。それでも、手紙を書くことはやめなかったけど、いつの間にか忙しくなって手紙を書けない出来事が続いたり、思いもよらないことが重なったりして、気がつくとこんなに時間が消え去ってたなんて。

 時々、海辺には一人で行くよ。一人で砂浜に座っていると、微かに君の笑顔が見えるみたいで。当たり前だけど歳を取って、皺が増えたり、白髪が増えたり。でもね、君はあの頃のままだ。

 あのとき、言えなかったことが今なら言える。何度でも、何度でも。君に聞こえることがないことは分かってるんだ。でも、月の光に紛れるようにして言うんだ…
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