朝の窓辺のスケッチ/春日線香
 
られた部屋。あなたたち。

 五個の石。それから三つの石。

 ニュースでは追突された子供が死んだ。死んで、新しく蘇
ろうとして足を滑らせた子供たちが歩道橋を急ぎ足で渡って
いく。古新聞がくしゃくしゃになって瓶詰めになる。悲しい
とは思わない。悲しいとは

 思わない。
 ぼくは一人だ。大勢の影が地面に突き刺さる。

 断水が突如やってくるのがこの地図の端。夜中の息を吐く
と眠りが筒の中で反射されて、出口や入り口を祈っている。

 思わない。
 ぼくは一人だ。寝不足のトーチカの群れ。

 窓辺に石を置いて眠りが来るのを待っている。
 
 それとも、割れた壺のように?
 コーヒーを飲み過ぎた海辺の生き物のように?



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