箱のなかみ/服部 剛
いつも隣にいる姿のない友達になっていたけれど
今夜はひろげた手にのせた
あふれんばかりの「 星ノ言葉 」を握って
君のいる遠い夜空の下に思い切って投げよう
「 誕生日、おめでとう。
君が微笑みに包まれますように 」
もう昔のように闇雲に
「君が欲しい」とは言わない
もし君に手わたしできるプレゼントがあるなら
それは
ぎこちなくへこんだハート型の箱を包んで
中に入れておいた一枚の絵葉書
ひまわりの傍らに
たった ひとことの 言ノ葉を 添(そ)えて
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