スターチス/1486 106
変わらないものなんてあるのかな
不意の呟きの真意が分からなくて
曖昧に微笑んでみせた水曜日の夜
降り始めた雨に不安になったのか
ざわめくように木々が揺れていた
変わらないものなんてあるのかな
繰り返し自分自身に問い続けては
途方に暮れてしまった土曜日の夜
鏡に映る姿に手を伸ばしてみても
薄いガラスに隔てられて届かない
証明したくてもそのための方法は
どこにあるのかどんなものなのか
不確かなことばかりの世界の中で
昨日と同じように口付けを交わす
隔たりあった二つの世界が唇を通じて繋がりあう
その時感じた確かな温もりこそが答えだと感じる
変わらないものなんてあるのかな
君からの問いかけに応えるように
明瞭に微笑んでみせた月曜日の朝
変わらないものなんてないのかも
脳裏に浮かんだ疑念を掻き消して
今日も同じように口付けを交わす
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