素心/
 
も気休めにすぎないってこと

願望の顔色の
善い悪いはカッコウとキツネが相談して決めるんだって
私には関係ない話

君も

その全てを棄てるのに準備はいらないよね?

思い出して
生まれたときの絶望を

誰かのつくった世界が与える苦痛は
それを超えるはずがないし

この箱庭で賄う幸福は
カミサマを殺すときの愉悦と比べたら
なんて詰まらないものなんだろう

それなのに
人に価値があるって勘違いしたり
傷ついたりしちゃってさ

ねえ、生まれたときの切なさを
本当に忘れてしまったとでもいうの?
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