死と乙女---シューベルトを追悼して/st
死神が
美しい乙女に恋をした
死が近づいている乙女を
冥府に導こうと来たのだが
そのあまりの美しさに
恋に落ちたのだ
ところが 乙女はまだ自分に
死が近づいていることを知らない
乙女はある日
鏡に映っている 自分のうしろに
死神がいることに気がつき驚く
(ああ 私はまだ若いのよ)
(残虐な死神よ 私に近づかないで)
(あっちへ あっちへ行って)
(私に触れないで)
死神は乙女に
(美しい乙女よ 恐れてはいけない)
(私はあなたの友なのだ)
(あなたに安らかな死
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