ポプラの噂話に乗せて/
 
ランドセルを振り回し
カエデを蹴りつけた
少年は
舞う羽にはしゃいでいる

いつか
ナナカマドを蹴りつけ
私に雪を浴びせた
君は
夏の綿雪のように
どこかへ
飛んでいった

どこかへ
根付いていれば
それで……

──私は
夢を見た朝にだけ
骨髄からビビッドな記憶をそっと掬い
ポプラの囁きが聴こえる窓辺に飾る

もし、その土に
愛らしい小鳥の唄がそそがれているなら
もう何も望むまいから

どうか朝食を食べ終わるまでは
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