石畳の道/st
秋色に染まった街の
坂の上の教会へと
つづく道は
きみが教えてくれた
思い出の道
枯葉が舞い落ちて
石畳の道を飾り
きみは枯葉をひろって
とってもきれいね
でもすぐに色あせるのよ
といっていた
色あせる
という言葉が
気になって
きみの横顔を
じっとみていた
あのとき
きみはもう
変わっていたのだろうか
いま枯葉を手にしても
吹き抜ける風のなかに
きみの香りはしない
いつもきみが開けてくれた
教会の扉を開き
ステンドグラスから差し込む
やさしい光のなか
ひとりで手を合わせ
きみの幸せを願いながら
秋の日は暮れてゆく
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