きみの呪い/赤椿
 
呪いだ と思った

きみの 柔らかい声が

きみと過ごした 緩やかな時間が

きみの 優しく触れた手が

心臓をきつく縛りつけるものだから

僕のシャツは今日も血まみれで

通りすがりの烏に笑われてしまった

澄み透る空が 綺麗だと思えないのは

ぼくの足元だけに 水溜まりができるのは

今日も月が空に出ないのは

ぜんぶ ぜんぶ

きみのせい
戻る   Point(1)