にんげんよ/秋葉竹
 

雲の声を聴こう
生誕40分の
白さしか知らない真っ平らな愛情のような
幼なさをかたちにした

雲の声が聴こえる
はずもないのに
いつのまにか助けてくださいと言いたかった
約束の時間は黄昏の塵芥にまみれて
暗闇の心を募らせていく

自分が一番なおざりにできるから
悪なんて聴きたくもない人間の世界に
結びつけようとする糸の色は
素敵な愛情の深さを強さにしている
亡霊の哀しみに少し似ているし

どこでも時代を滅ぼそうとした
破壊の跡にだけは
絶対に同じ種を蒔いた
あの愛情の裏返しのような暗さに似ている


ほろぶことだけが
哀しみを癒してくれるし

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