僕の地点から/福ちゃん
 
なぜ君が笑うのか
分からないから僕は切ない
君と見た夕日を思い出せない僕には
君を見つめる資格は無いのかもしれない
だから僕は架空の夕日をつくり
架空の許しを高利で借りる

朝日が昇る交差点で君が右手を挙げている
左手に賭けていた僕は少しがっかりして
賽銭箱に100円を入れることを固く誓うのだった
君が喉が渇いたと言っても
今日の僕は決して自動販売機に近づきはしない
これが神様と僕との約束

14時のまどろみのなかでうたた寝ている
風が強く吹いているけれど僕は全く気づかない
眠りの奥で神様が僕を呼んでいる
催促に来たのならば僕はあなたが愛おしい
目を閉じて僕は夕日を思い出す
見たこともない夕日を確かに思い出している
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