闇のさかのうえ/秋葉竹
 
わせていた
その空を
夜は飛ぼうと
冷たい風のこころを知って
すみやかに落下してしまう
情け無さについて
なにもいう資格はないんだ

もう時間がなく
振り返っても振り返っても
やさしく微笑む懐かしいまぼろしが見えない

その坂のうえには闇があり
いくつもの傷が蛇のように転がっていて
私の胸に噛みついた1匹などは
けっして暗黒の暴風を隠すつもりもなく
ひとえに私の胸を柔らかい罪として噛み殺し
1匹曇り空を見上げて
『ケケケ』と笑うのだ

そしてそれもいいとその坂のうえを
飛び出したくなるのではなく
冷静に悲しくなって来るのだ
闇にくるまれたブルースが見えなくて




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