後悔/R
銀色のトレー、に
ぞんざいに転がされた
私、
だった、血みどろ。の、純潔。
の、フォルム。の、愛らしさ、
(親不知をください
私の右上の歯肉に埋まっていた
ワタシをください)
三度刺された上顎を言い訳にフツウぶって
従順に、そーっとぬるま湯を吐き出したのは、
人間が恐ろしかったから。
たったそれだけ
それだけ
に、
もしもの
それ貰ってもいいですか?
が
こだまする額の内側
くわゎ……ぁん、と
少し伸びた爪でなぞるように渦巻く
シナプスのイタズラ書き、
の、私と私と私と私と私と私と私と……
あーあー、群れた私
に
ワタシ
が、
塗り潰されて、ゆく、
から左上の親不知を抜きたい。
けれどきっとまた医療ゴミを一つ増やすだけだろうから
私に気付かれぬよう眠りたまえよ。
私達、
とこしえに、
痺れが442ヘルツに収束しながら減衰するように、
血餅に、渦を、
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