静かな電話/
水宮うみ
静かな声を聴くだけで、わたしの心は穏やかになれた。
少しずつ自分なりの過ごし方ができるようになり、自分で静けさを手に入れられるようになってきたある日、彼からの電話はピタリと止んだ。
だけど、わたしはもっと彼と話したいし、話す気満々だ。
なのでわたしのほうから毎日電話をかけている。
電話番号も知らないけれど。わたしの電話は、世界一静かとは言えないだろうけれど。
きっといつかは、つながるはずだ。
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