忘却/もとこ
 
九月になったら
もう
その話は終わりですか
大きな嵐がやってきたので
今はそのことで精一杯ですか

そんな風にして
歴史は錆びついていくのでしょう
その時代を生きてきた人たちが
一人、また一人と退場していきます
入れ違いに登場してくるのは
口の上手い詐欺師たちです

彼らの弁舌によって
あったはずのことが
なかったことにされるし
まるでなかったことが
あったことになるのです
知らないわたくしたちには
語る資格がないと言いながら
彼らは知っているふりをして
見てきたように嘘を吐くのです

彼らは道化に過ぎません
王様のために働いています
そして王様の
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