猫のなで肩の背中越しに/……とある蛙
ネコのなで肩の背中越しに
ぽっかりと雲の浮かんだ空を見た。
一輪挿しの花瓶のように
首を伸ばしたネコは
空を眺めて何を思う
雲は肴の形をしているのか
雲はキャットフードの形をしているのか
雲は鼠の形をしているのか
キャットフードの形をしている雲はあり得ないと思うか
ネコはなで肩の肩越しに
こちらを振り返り
ニャーと笑った。
ネコは笑うか
人間が笑っているのか
そんなことはどうでもよいが
ネコの肩越しに
飼い主が見える。
猫の肩越しに
自分の過去が見える。
雲のない青空って言う嘘
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