ありがとうの代わりに/中山 マキ
いっそ誰かに成りきってしまえば楽なのかな
と思ってBさんに憑依したら
Bさんも割と悩みを抱えていた
人の表面だけでは分からない泥臭さは
内面を泳ぐまでは分からない
だから簡単に羨ましがってはいけない
気付かずとも失っていく日々が
蓄積されている
人生は想像以上に短いだろう
夜に彷徨い歩いても1秒の進み方はみんな同じだから
ただいまをちゃんと言える
年齢を重ねていなくなってしまった
友達という名前のだれかさん
寂しい気持ちが消化された頃に
年賀状の一枚でも出してみようか
大きなことが出来なくても
よかったと思えることを
少しずつ増やしていけるといい
そうすればきっと
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