ガヴォット/ヒヤシンス
 

  神様、どうか私を見捨てないで下さい。

 心に悲しみ満ちて、静かに訪れる夕暮れに頭を垂れる時、
 一人きり、森の奥深くにある小さな教会に足を運ぶ。
 
 重たい扉の向こうに見える木の十字架。
 三人並んで祈りを捧げている外国人の親子連れ。
 幼い二人の子供たちが母親の真似をする。
 席に座った私も彼女らの真似をする。
 
  神様、どうか私を見捨てないで下さい。

 程なく、親子連れは去っていく。
 私をどこまでも取り残して。
 醜く色付いた心の影を捨て去ろう。
 純白に、そして透明に。

  神様、私はやりなおせるでしょうか。

 外の気配を映し出す
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