白夜/
中山 マキ
後回しにしてはいけない事ばかりが
満員電車の中の息苦しさを感じさせる
喧噪が頬をかすめて行き
銃弾のように耳を劈く(つんざく)
星占いが1位になっても
この視線の先には神様も仏様もいなくて
隙を見せてはいないはずなのに
簡単に躓いて手助けさえ恐れて俯く
生き辛い理由に後をつけられたまま
夜が明ける
声も答えもまだ
生まれてはくれないのに
昨日と同じような色、味、臭い、
それがどうであっても
今日を今日と呼び
それは始まる
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