ちいさなちいさなことばたち/田中修子
 
友とした
ふしぎな語らいを
思い出す
一輪の花の
散るように

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「少年兵」

おかあさん 愛して
おとうさん 見て
と叫んだ
ところから、首が、千切れたよ
ろれつはまわらない

ふりつもる雨みたいな
サラリとしたてざわりの
言葉でくるみたい
おやすみと囁きたい

母父を失った

だきしめる
あんしん、あんしん
だきしめられている

愛してる とても
なによりも
だれよりも

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「端午の節句」
ニラが ニラニラ笑ってる
やだな 今日はニラ風呂か
ニラが ニラニラ笑ってる
ちがうよ きょうは 菖蒲風呂
ツンツ
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