disappear without disappearing/mizunomadoka
ミカとサンドラ
ふたりが鏡の中にいる
あちらでは
私が死んだことになっていて
思い出を話してる
森の入り口にある小さな村
昔教会だった母のアトリエで
花冠を作ったこと
巡回医のヘンリーに
恋をしたこと
父が戦争に行ったこと
母の抱擁
庭木と畑に水を撒く
熱い土の上を風が通り抜ける
あなたたちのおかげで生きてますと
不意に感謝したくなる
子どもたちが空を指さしながら
ひこうき雲を追いかける
嵐の中で手をつなぐ
私たちの命は
消えないままに消えていく
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