音/
 


駅名が思い出せない駅で

あなたと雨降りひとつの傘で

無くなった記憶を探しています
増えていく水のなかで
忘れ物をただ4つで

携帯が壊れて

時計が壊れて

水が持ち物をひとつひとつ壊しても

もう孤独は頬にくっついているので

何も感じません
雨の音と暫く聞こえた耳鳴りと、
あなたの息遣いだけです

見つかればいいのに

何も
探すものなどなかったのに寄り添うことだけ
雨音が


聞こえる

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