あたらしいマニキュア/万願寺
せるため、少女のこころを守るため、土や岩や空気や水の中からやっと掻き集められてくれた変態性。献身?いいえ、なりわいなのです。それを知らぬは人間ばかり、人間ばかりが恋をして、恋をできずに、恋に破れて、恋を嬲って、恋をずっと捜したりする。みんなの恋は決まっているのに、人間なんて自分でろくに、生殖できない奴ばかり。でもいいんです、かれはかのじょはわらって揺れる、わたくしどもが、生まれるは恋の証です。海の色映し乳白色は、いまさらながらに爪が色づく季節に降れる、恋に恋しない恋の色。人間様はきづかなくても、しずかに凪いで、無風の瓶から、世界にひらけ。こんにちは。あなたが愛をする時のため。
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