無題/◇レキ
ている
薄雲がなだらかに空を支配してゆく…
僕は一番星をそっと見るんだ
この果ての無い空を地べたから そっと見る
食い尽くされた体だなぁ
一歩も動けず動かせないで
あまりに広がりすぎた
過去の肉達は
そこいらじゅうに散らばる空気に溶けて…
この途方も無い絶望に
この途方も無い飢えに
柔らかに風が去ってゆく
このたった一人の幸福は
世界からの賛美じゃないの
あまりに広がりすぎたからなの…
※
煙草の煙が尽きるまで
世界がさぁ
おいしいかいって聞くからさぁ
殺したいって小さく呻くの
世界がさぁ
ふふふってわら
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