焼却センター/藤山 誠
 
硬い雲達に負けないように
灰色の煙突はまっすぐと立つ
足元でうるさい虫どもの声も気にせず
頭の上を滑る飛行機にも動じない

空がただ高くなるたびに
煙突はぐんぐんのびた
空が夕焼け色になるたびに
煙突は灰色になった

長い間煙を吐き続けて
今日もまた煙を吐いている
あの煙突のためになら
空気は煤だらけになってもいいと思った
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