灼熱の錯乱/坂本瞳子
 
干からびる
夢を見た朝は
寝覚めが悪く
太陽がとても
近く感じる

滲み出る汗が
首の周りに不快を
もたらし続け
足の裏は白砂で焼かれ
それでもなお

暑さを感じていられることを
幸せと思うべきか
悩んでみようという気も
起きないけれど
こうしてまた過ぎゆく

気怠い夏は
遠い日の想い出
春と秋と冬の夜は
この手の平の中に
埋めてしまおう
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