アップデート/梅昆布茶
 
アップデートに本体が耐えるかどうかが心配なんだが
そんなに最新のVer.でいきてゆける訳ではないんだ

情報格差とは素敵すぎる造語で仕掛けられた欺瞞なんだろう
いつも調整しながら生きている老体にはさらにロボット化されるようで

僕は嘘をつき生きてきた
ときにはそのせいで哀しみをおぼえるのだ

ときどきためいきをつき誤魔化して歩いてきた
ためいきをつかない他人に非難されつつ

もう濃縮するものもないのなら
濃縮された夏を外気循環で過ごしたいものだ

しかばねになる前だって歌をうたえるはず
歌手になるにはおそすぎることはないんだ

今の僕のベクトルが夏に溶ける
きみとシンクロできない夏はとっても素敵だ

もうぼくはあまりアップデートはしないだろうけど
世界はバグに満ちたままアップデートし続けるんだ

誰にもあえなくて
でもなつかしくて

この夏は手紙を書こうとおもっています






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