ちょっぴりゼツメツ寸前の詩をめぐる冒険◆詩をへだてるベルリンの壁/田中修子
 
のリーディングを伺って、私の偏見はガラガラと音を立てて崩れていきました。

小柄な体から繰り出される、ふしぎな言葉のリズム。
感情の昂るとき、すこし揺れるこぶし。
ファッション。
儚い、うつりゆく都市の情景。都市のなかで繰り広げられている、刹那の出会いや別れ。
そういったものが、彼女のからだから、もあもあ湧いて、私のなかに入ってくるようでした。

彼女の詩は、とても儚いものかもしれない。
ご本人もコンプレックスにされていたようですけれど、もし彼女を知らず、テキストだけで読むとすこし意味が通らないかもしれないところがあります。
彼女のすべてがこもってこそ、こころにひびく詩として成
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