ヘンゼルとグレーテルよ/もとこ
はまた作れば良いから」
残酷な結論で生き残るのは自分たち
そんな人間を許してはいけません
子を愛さぬ親は愛さなくて良いのです
たとえ偽りの幸せにすがっても
もしも再び飢える日が来たら
お前たちの親は躊躇いなく
また同じことを繰り返すでしょう
それにお前たちが両親を許せば
世界中で同じような目に遭っている
お前たちのような多くの子どもたちが
美談の壁に塗り込められてしまいます
ヘンゼルとグレーテルよ
きっぱりと親を捨てるのです
手に入れた多くの宝石を使い
親に頼らず大人になるのです
そしていつか愛する人と出会い
新しい命を授かる時がきたら
お前たちが得られなかったものを
与えてやれる親になるのです
何が起こっても最後の最後まで
我が子を守れる親になるのです
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