望んだような眠りがそこに訪れるはずもなく/ホロウ・シカエルボク
 
てくることはない、電車の切符と同じようなものだ、定められた役割のために使用され、取り換えられていくだけだ、ともかく…黒焦げの夜の中に居ると当然感じられるべきものがまるで感じられなかった、臭いか、あるいは他の要因によって、感覚が遮断されているように感じた、そんな夜はこれまでに経験したことがなかった、いや、はたしてそんなものを経験したことがあるものなど居るのだろうか、どこにも居ないように俺には思われた、それだけその夜は、異質なものとしてそこに居座っていたのだ、これはどこから来たのか、と俺は考えた、これはどこから来たのか、当然の疑問だ、でも回答は導き出すことは出来なかった、当然のことだ、ある意味で俺はま
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