妄想の蓋を/こたきひろし
 
ゾンビにされてしまうからな。

首都の巨大駅。ホームにはゾンビと化した現代人と落武者で溢れかえってしまった。
それでも電車は正確に定刻に運行したからたまったものじゃない。
ゾンビと落武者は先を争い乗車と下車をするから場内アナウンスは発狂寸前でとどまっている始末。
何がなんだかわからなくなっていた。

どこかのラブホテル一室。男と女はくんづほぐれつになっていた。他人の眼には何も映らない。写す訳にはいかない。愛欲の姿はアイナメをしていた。
現実と妄想がだらしなく垂れ下がって絡み合って暑苦しくなった。
男と女は最後に一緒に果てた、

結論は万事めでたしめでたしナノだ

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