天啓/黒ヱ
群霧の鳴きに 蒸しのあたえて
熱は帯び 歩は進めの 空は無く
虹彩映えて 伸ばす 立ち跳ねる光の尾を繋いで
渡りは出来ず 辺の温まをなぞる
ふと想い 詠む文の青きに また
ここにはおらず
長い髪を 切る
信仰はなく ただひたすらに ひとりでの道に
迷い 泳ぐ
灯しの無い海は 深海と紛う
白む 暈し染めに変える
その前を 行き交う 星の点々を目印とした
知っていたはずのものに問われ 何も分からなくなる
慈雨を待つ
干涸らび割れた花を愛し
無碍に日は過ぎる
日向に馳せ
毟らず絡まる鎖は根
日と日の間を閉じる瞬きだけに
安堵を知る
「蜃気楼と知れ 無明と知れ 恐怖だと知れ」
〜出典 地の記 獄編〜
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