気流/梅昆布茶
 
ただしい農場では
ただしい青果が生産され
世界をよりただしくしてゆくのだろう

おびただしいひとの群れは
おびただしい愛の定義をつむぎだし
世界をより美しいものにしてゆくのだろうか

救援を待つ宇宙船のなかでぼくは
たぶん1冊の本とたったひとつの
自分のなかの音楽をもとめるのかもしれない

うつくしい職場では産業能率的に環境音楽がながれ
ロボット化されたラインは飽和を生産し続けるのだろう

はずみでこの世に出来した僕ではあるが
誰にも親近感を見出せなくてとまどっていた頃は
孤独と一緒にいる春がすきだった

マルクスの春はロンドンの貧民街にあるのかもしれない
散らばっている骨はすべて拾ってあげるんだが

きょうもいちにちが 過ぎる
ブレイクもしないしスルーする知恵もなくて
時代と普遍という高原をゆめみている

じぶんの気流をさがして













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