架空の現実/水宮うみ
 
現実が架空の国からやってくる

喜びにあふれた街で夜を待つ

手遅れになる五秒前踊り出す

音もなく忍び寄ってくる四分音符

夕焼けのように素敵な恋をした

青い空鞄に入れて持ち歩く

息継ぎの仕方も知らず泳いでる

簡潔に歴史を語る未来人

明らかな嘘だと分かる立て看板

約束をしようどこかの誰かさん

君はまだこの戦線にいるだろうか

眠れない夜を模写する印刷機
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