詩は記録される雨音/ホロウ・シカエルボク
 
いくら突き詰めてもなんの役にも立たないものだった

時々ふとした瞬間に失ってきた日々が
最終関門のようなクエスチョンを投げかけることがあって
そのたびに俺は呆然と日常を見送っていく
過去が欠片になって身体中を貫いているのに
晩飯のことで頭がいっぱいみたいな顔をして

電波時計はあらゆる時計の中で一番
時刻を告げることに無頓着な気がする
近頃じゃ秒針の音すらしない時計が売れるらしい
そんなささやかな表示をどんな奴らが購入の理由にするのだろう
一時間おきに鳩が窓から飛び出してきた時代はもう
ファンタジーと同じくらい別次元の出来事だ
音楽を絶えず流してしまうのはきっと
ブレ
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