大切なことをわすれて/梅昆布茶
 
とても大切なことをわすれて
とても大好きなひとをわすれて
それでも生きている

あたえられた課題を
こなせない生徒のように

やっぱり不器用でふまじめで
廊下のすみにたたされているんだ

生産性という名の人生を
整合性という倫理を
愛という不都合を

克服することが課題ではなくて

窓辺の教室で
無視された花をつみとるように

割愛されたい人生をえらぶように
もうそうながくは生きられないから





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