さみだれ/
むぎのようこ
つま先で
みてた空の継ぎ目を
そっと裁つ鋏
皮膚のうらがわで
咲いた
あおい花のいろ
にごって、曇った
くちびるの
すきま
そこなわれた血と
その清潔を
しずかにあらう木洩れ日の
ささくれだち
暮れゆくまぎわ
棘になって
ふりそそぐのは
すがらない
生命
いさぎよく、淡い
月の
もえるさま
ちりちりと丸まる紙
ひえてゆく白さを
うつす
コンクリート
ひびわれる
雨音を飼いならす
季節になる、
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