湿度計のうた/梅昆布茶
 
ぼくの家には湿度計が必要なんだ
ウエットなときには彼女とけんかするから

ぼくはすべてを知る職人になりたかった
ぼくはすべてのものを所有したくなくて

変化するものが大嫌いで
でも固定されることを憎んでいるんだ

ぼくの整合性にしたがって
乱雑につみあげられた日常が充満した部屋で

ぼくはひとり革命をゆめみて
ふるい武器を磨いているのだが

ぼくの別名を前期高齢者というのを妻からきかされた
そういえばぼくの喪失と失踪をまた詩にでもしたてあげ

素知らぬ顔でいきてゆく
いつまでも

そんなおやじでありたいものだ











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