風にのる/
服部 剛
利根川の畔(ほとり)に佇み
川の流れと
人の歩く時間について
思い耽っていた
風が吹き
ふり返る僕の方へ
無数のタンポポの綿毛が秘めた笑いを響かせ
降ってきて――今日の景色は、夢になる
目の前を
小さな一つがゆき過ぎて
緑の芝生に、着地した
僕も
誰かの
小さな種になりたい
自らの日々を、風に任せて
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