悪魔の舌/ハァモニィベル
 
孤独な指先を
そっと浸すように
冷え冷えとした土の中から
上に向かって堕ちてきた
それは
生えだした 
うねり

しなやかに燃えて 落ちていく曲線のむこうに
求めてやまなかった影がある

廃れ果てたような
泥だらけの根もとから 夏の陽射しへへと
今はただ、伸びてゆくだけの

ただそれだけの命もいつか
肉と骨に別たれ
灰色に整頓される日までの とても美しい

ともすれば 一度たりとも
咲くことの叶わない花
















《蝶としゃぼん玉  2018.5.12 企画−「悪魔の舌」》より
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