夏は帰途に就く/
渚鳥
どこからやってきたのか私は
何度洗ったか分からない
すっかり芯のなくなった衣服を着て
暑さにふやけていたのではない
でもたしかに眠気の中にいた
あれからどこへ行ったのか私は
逃れられるならすべて差し出そうとした季節だ
日差しの眠るところを探して大きな清らかな悪魔になって
夏は帰途に就く
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