あめ/北野つづみ
あめが・ふる・すきとおった・あめが
おともなく・ふゆを・とかしてゆく
もしも・このあめが
ほんとうはすきとおっていなかったなら
やまはだは・まだしろい・けれども
はだかぎの・もりの・ほそいえださきが
たくさんあつまったあたり・は
あかくそまっていて
そらのさかいめで
はんぶんめざめて・はんぶん・ゆめをみている
まちでは
すきとおった・あめが・まどをぬらし
いえいえのやねも・でんしんばしらも・あすふぁるとも
ぬれて
しゃどうわきの・よごれたゆきやまが
なかみはじゅんぱくのまま・ちいさくなってゆく
ちかづいてくる・あまおと
おとなも・こどもも・はなも・きも・とりも
みなひとしく・ぬれる
(みぶるいして・うもうについたあめを・ふるいおとす・すずめ )
きみたちは
ねむっているのだろうか・それとも・もう
めざめているのだろうか
もしも・このあめが
ほんとうはすきとおっていなかったなら
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