橋上/黒髪
 
夜橋の上に立って遠くを見ていると
遠いあそこへ
南へ帰っていくのだと思える
花火も見える橋
核戦争が行なわれるのじゃないかという不安を持った
黒く塗りこめられた探りようのない夜と決してごまかしてはくれない昼
苦しみのかなたには見た目のとおり悲惨があるだろう
それを救うものと言えば神仏
どうやって救ってくれるのか何も言わない
この橋の上で夏を少しうなだれながらも愛して過ごしている
誰が未来を予測するだろう
誰が過去を変えられただろう
誰が現在と永遠をつなごうとするだろう
強く思えば誰だってできる
蠅を瘤に乗せたままで
駱駝が橋を渡っていく
今ある素晴らしいルールだ
誰もがまやかしに踊らされない
心の中の駱駝を負い返せ
真実の心を迎えるたいんだ
誰のものでもないものを誰かが呼んだんだ
永遠のシンボル
過去の悲劇に貼られたシール
あの駱駝を負い返せ
立ったら歩く
座って休む
誰のためでもないのさ
ルールのその向こうに
みんな何かが見えるはず
とても素敵な本当や嘘に
どんな希望も含まれている
橋上の夜
止まった時
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