見えない明日/ヒヤシンス
新しい明日を迎える為に今日という日のスーツを脱いだ。
街角の雑踏、裏通りの饐えた匂い、散乱する生。
風のように過ぎてゆく時を眺めると、欠伸が出る。
今日も懸命に生きた。
充実感の後にやって来る絶望感にうんざりする。
人生の宿命に立ち向かう術はないのか。
こんな時は静かな森で一人瞑想したい。
詩とは何だろう?言葉は恐ろしい。
細切れの集中力の中で今日は十回欠伸をした。
明日は二十回はするだろう。
あー、嫌だ。
とても詩とは呼べないような言葉の羅列。
俺の手帳を見ろ、真っ白だ。
よれたスーツに新しい明日が見えない。
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