岩手の村、夜の街/ヒヤシンス
ピアノの音に重なるように朝の気配を感じる時、
私は私の半身と共に旅情の只中を彷徨っている。
頭と心は信じられないくらい透明で、
静かな人の温もりは優しさを帯びている。
自然の厳しさを肌で感じながら、杉群の中にこの身を置く。
初めて聞く滝の名前に胸は躍る。
雨続きのこの村に青い霧が立つ。
遥かに聳えるあの山も麓から私らを覗き見るのみだ。
おーい、岩手の偉大な山よ。
人見知りはやめておくれ。
お前のその大きな胸で私らを迎えておくれ。
ジャズの流れるジョニーの店で闇夜は明けない。
頭と心は限りなく透明に輝いている。
旅情の神秘に街のネオンは静かに揺れる。
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