僕が見る夢/暁い夕日
マーブリングで描かれた永遠の模様
始まりはいつも、そんな曖昧さで、語る事を許さない
抽象的な静物画 又は、静物を見て取る抽象画
暫くは何を見たのか分からない
断片的に、光!また、闇
はっきりした映像が次第に映る
待合室で、今日も定刻通りに鬱患者達の集会開催
誰も取る事のないかるたが散らばった六畳間
ボコボコに殴られて痣だらけの笑った妻の顔
順番は分からないが、確かに見た
たったそれだけなのに、それらは僕の人生を示唆しているかのように
起きていた今日、同じ事がおきていた
本当は
億万長者とか
世界の救世主とか
チュッパチャプスの社長とか
売れっ子作家とか
ありふれた夢を望んでいるのに、
一度も夢の中でさえ、叶えられない今日
手首のためらった路線の増える
私は今日まで何を果たしに生きてきたのか
迷える子羊と言うには可愛く
意味なく生きてきた、と言えば存在を失い
宙ぶらりんで、描きかけのキャンバスを眺めている
今はそれ以上の、夢は見ない
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