微笑みが覆い隠していられるのは/金槌海豚
している
後ろにも前にも逃げ出すことの出来ない長い長い行列が苛立っている
後頭部に空想のチョークでへのへのもへじを描いている子供がいる
微笑みが怒りを覆い隠していられるのは いったいいつまで
荷物をここにおっぽり出し、背負える分だけ背負って歩けということかな?
いずれ怒りが微笑みを蹴破って 荒れ馬の如く駆け出すだろう
そのき十字路からは右か左か真っ直ぐか、それが自由ということなのかな?
目線を地面にまで落とし路上に張り付いた手袋を見つけた
拾い上げて かつてそれが包んでいた手の行き先を想う
髪を掻きあげ目をこすりタバコを手にとり口元へと運
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